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不動産投資が持つ保険としての機能とは?

結婚や子供の誕生を機に、家計の主たる収入源である人の多くが生命保険に加入します。これは、本人に万一のことがあったときに、遺された家族の生活保障を考えてのことです。

また保険とは別に、長期的な資産形成の方法として投資を行う人もいるでしょう。

投資も、将来的に収入を得るための手段です。通常、保険と投資はまったく別のものだと考えられているはずですが、投資の中でも不動産投資は、その一部において生命保険の代替となる性格を持っていることが特徴です。

さまざまな種類の「生命保険」

生命保険と一口に言っても、さまざまな種類があります。保険としての不動産投資の機能についてより理解を深めるために、まずは生命保険の種類について解説します。

【定期保険】
10年や20年などの一定期間(定期)にわたって保障が得られる保険です。貯蓄性がない(いわゆる掛け捨てタイプ)代わりに、比較的低額な保険料で高額な保障を受けられます。

【終身保険】
定期保険とは違い、加入後は一生涯の死亡保障が約束されています。また途中で解約した場合には、支払った保険料に対して一定割合の解約金が戻ってくる貯蓄性もあります。その代わり、支払う保険料は定期保険より高くなります。

【収入保障保険】
加入者が一定期間内に死亡した場合、遺族が年金形式で一定期間毎月保険金を受け取れるタイプの保険です。貯蓄性はなく、掛け捨てタイプになります。

不動産投資が生命保険の代わりになると言われる理由

それでは、不動産投資が生命保険の機能を一部代替できる理由を詳しく見ていきましょう。

 投資用ローン契約時に加入する「団体信用生命保険」

投資用の不動産を購入する場合、金融機関からの融資を受けるのが一般的です(投資の場合は、住宅ローンではなく「アパートローン」などと呼ばれる事業性ローンです)。

この融資を受ける際に加入できる保険が、「団体信用生命保険」略して「団信」です。

団信は、ローン契約者が死亡もしくは高度障害状態となって返済ができなくなった場合に、融資残金の弁償を保障する生命保険のことを指します。この保険に加入することで、万一のことがあったときは残りのローンの支払いをせずに遺族が不動産を取得できるのです。

このように「万一のときに一定の資産を遺せる」という点では、不動産投資には生命保険の代替となる側面があると言えます。

遺族が不動産を保有し続ければ賃料収入が得られる

家計の主たる収入源となっている人が死亡したとき、遺族に収入がまったくないか少ない場合は、保有不動産から得られる家賃が遺族の生活を助けます。ローンは団信で完済されているため、管理費などの費用分を除いたすべてが収入となります。

売却によってまとまったお金を得られる

遺族がまとまった資金を得たい場合には、不動産を売却することもできます。ローンは団信で返済が済んでいるため、売却手続きもスムーズです。

売却によって資金を得られるため、定期保険や終身保険をある程度代替すると言えるでしょう。ただし不動産は、資金が欲しいときにすぐに売れるとは限りません。その上、一般的に住宅は築年数が長くなるほど価格が下がります。思ったような価格で売れないこともあるため、注意が必要です。

不動産投資と保険のメリット・デメリット

不動産投資は保険そのものではないため、生命保険の役割を完全に代替できる訳ではありません。保険との比較によって、どのようなメリット・デメリットがあるのかを確認します。

【不動産投資のメリット】どんな場合でも資産が残る

定期保険や収入保障保険は掛け捨てであり、保険事故(加入者の死亡)がなければ、払った保険料は無駄になります。一方、不動産投資では資産を購入しているため、万一の場合にも資産が残ります。また、定期保険や収入保障保険は、保障期間や年金の支払い期間が定められていますが、不動産の資産価値には期間の限定はありません。

【不動産投資のデメリット】保険とは違い得られる資金が不安定

保険は、保険会社の経営破綻などの例外的なケースを除けば、死亡保障や遺族年金は契約時の金額が必ず支払われます。一方で不動産は、将来の家賃収入や売却金額はハッキリとは分かりません。その点で、例えば「子どもの学費と配偶者の生活費で、◯年間で最低◯万円は必要」と、必要金額が分かっている場合には、保険の方が適していると言えるでしょう。

まとめ

不動産投資は、団信を付けた融資を活用することで、遺族に負債を残さず資産だけを遺せるという意味で、生命保険的な役割も果たします。

しかし、不動産投資はあくまで資産運用の手段。保険そのものではありませんから、完全に保険を代替することはできません。不動産投資には不動産投資の、保険には保険のメリットがあります。人生のリスクに対応していく上では、両者のメリットを考え、バランス良く組み合わせて利用したいところです。


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