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コロナが市場に与えた影響~新築不動産編~

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新型コロナウイルスの世界的流行と、ロックダウンなどの感染予防対策は国内外の経済に大きな打撃を与えました。先行きの見えない不安の中で、株式市場や外国為替市場、また金・原油などのコモディティ市場が激しく乱高下したことは、記憶に新しいところです。

この記事では、数ある投資商品の中でも国内の新築不動産市場への影響に焦点を当てていきます。

数十年に1度の暴落を見せた株式市場

まずコロナショックが金融市場や商品市場にどのような影響を与えたのかを確認しておきましょう。

 203月の株式市場は、年初には24,000円を超えた日経平均株価が、319日の終値で16,552円となるなど、大幅な下落を記録しました。

 海外に目を転じても、米国のNYダウ指数は1日で1,000ドル以上という歴史的な暴落を記録しました。

 下記のグラフは、19年9月2日の日経平均株価終値を100として、20年8月31日までの日経平均株価終値(日次データ)を指数化したものです。

日経平均株価は203月、半年前の199月と比較しても20%以上、201月の高値と比較すると30%以上も下落したことが分かります。

また、外国為替市場においても、ドル円が16年以来4年ぶりに一時1ドル101円に近づくなど、大きな円高の動きを見せました。その後ドルは111円台まで上昇し、そこから再び8月には104円台に下がるなど、荒い値動きが続いています。

 株や為替だけではなく、債券価格も暴落しています。また法定通貨にかわる資産投資先として注目を集める暗号通貨(仮想通貨)は、2月の高値から一時50%程度の水準にまで落ち込みました。

 商品相場に目を転じると、原油価格はOPECプラス協調減産の交渉決裂の問題もあり、こちらも急落しています。その一方では、安全資産とされる金(ゴールド)は乱高下を繰り返しながら歴史的な高値まで上昇しています。

 20年3~4月の金融・商品市場は、10~20年に一度の規模の大ショックに見舞われたのです。

現在の株式市場はミニバブル?

その後4月に入ると、各国政府による大規模なコロナ対策の財政支出と、金融当局による金融緩和策により、市場は落ち着きを取り戻しました。

 日本の株式市場も、4月以降はジリジリと上昇基調になり、日経平均株価は6月始めに199月の水準を上回る水準まで回復。その後は大きな下落もなく推移しています。

 一方で実体経済(GDP成長率)を見ると、2046月期は物価変動を除いた実質で前期比7.9%減、年率換算では28.1%減と戦後最大のマイナス幅を記録しました。2020年度のトータルは、マイナス6%程度になると予想されています。

 このような厳しい経済環境の中でも株価が戻り歩調になっている要因の1つは、全世界で1,000兆円を超えるとされるコロナ対策の財政出動が行われ、一種のカネ余り状態になっていることだと考えられます。

 実体経済の回復がまだ見込めない中での株式市場の上昇は、一種のミニバブル状態であるとの指摘もあります。

 悲観と楽観とが繰り返され、そのたびに行き過ぎとも言える状態まで大きく値が動くことが株式市場や外国為替市場の特徴でもあります。

コロナショック前後の不動産市場の動き

一方で、不動産市場はどのように動いたのでしょうか?

不動産にもさまざまな種類がありますが、ここではもっとも一般的なマンション市場で確認してみましょう。

下記の図は、首都圏の『新築マンション価格(平米当たり単価、不動産経済研究所、「首都圏マンション市場動向」より)』、『中古マンション価格(平米当たり単価、東日本不動産流通機構「月例速報」より)』、『分譲マンション賃料(東京カンテイ調べ)』のそれぞれについて、199月を100とした際の208月までの推移を描いたものです。

同期間の株価の推移を表した上のグラフと比べてみると、いずれも値動き幅が小さいことが分かります。とくに賃料はほとんど変化していません。このことは、不動産投資において、安定した資金の回収が図れることを意味しています。

また中古市場は、45月に若干の下落を見せるなどコロナの影響が多少見られますが、その後は元の水準に戻しています。購入した新築不動産を売却する際の出口である中古市場も、株式・為替市場のような大きな価格変動は生じていません。

コロナで住宅の価値が上昇?

過去の金融ショック、例えばリーマンショックと比べると、今回のコロナショックは純粋な経済・金融上の理由に端を発したものではなく、ウイルスによる疾病の流行が原因だという点が特徴です。

感染予防のための「ステイ・ホーム」が合言葉になり、在宅勤務が急速に普及したことなどから「住宅」の持つ意味や価値は、むしろ高まったと言えます。一方で、商業施設やオフィスの価値は落ちており、不動産分野でも二極化が進んでいます。

 賃貸住宅市場においては、政府のコロナ対策の家賃補助制度などもあり、需要の減少(=賃料の低下)は起きていないようです。賃料が低下しない限り、投資用の新築賃貸住宅の価格も基本的には下がることはありません。

以上がコロナショックを挟んだ前後数ヶ月の、新築不動産市場の動きです。

東京の世帯数は当面上昇を続ける

では、もっと長期的な視野で見たとき、今後の不動産賃貸市場の需要はどうなっていくでしょうか。

「少子高齢化で国内の人口が減っていく中、新築不動産投資は厳しいのではないか?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、家は世帯単位で利用するものなので「人口」よりも「世帯数」の方が重要な指標になります。そして、少なくとも都市部においては、世帯数は当面増加を続けるものと予想されています。たとえば、東京の区部では、2040年までは世帯数が増加を続けると予想されています。(東京都総務局統計部

 このようなデータにも示されているように、都市部においては、マクロ的に見ても住宅不動産の需要は当面落ちにくいのではないかと考えられるのです。

 また、実際に投資対象となる不動産はあくまで個々の物件ですから、マクロ的な影響よりも地域や立地エリア、物件の特性といった個別事情の方がはるかに重要です。

まとめ

さまざまな投資対象があり、それぞれに特徴(メリット・デメリット)があります。

その中でも新築不動産投資は、貸し出しの賃料収入や出口となる中古売却価格が比較的安定して推移していることから、安心して長期間保有しやすいと言えるのではないでしょうか。


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