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研修医が考えたい「老後資金2,000万円問題」

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世間で「老後資金2,000万円問題」に関する議論が盛り上がりを見せた頃から、「将来のための財産作りをしなければ」と、資産運用に取り組み始める人が増えているようです。

その一方で、安定収入に恵まれた2030代の中には「いまの収入は十分だし、資産運用なんて必要ない」と思っている人も少なくありません。しかし、若い世代も無関心ではいられません。40代以降は仕事の責任も重くなり、まさに「光陰矢の如し」。ゆっくりと考える時間を取れないまま、あっという間に老後を迎えることになります。

「平均寿命90歳代」時代がやってくる

最新の調査(厚生労働省、2020年)によると、日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳で、男女とも8年連続で過去最高を更新しています。この調査を開始した1947年の平均寿命は男女とも50歳代でしたから、当時から30年以上長くなっているのです。

日本人がここまで長寿になった理由としては、健康志向の高まりのほか近年の医療技術の進歩が挙げられます。このまま長寿記録を更新し続ければ、2050年には男性84.02歳、女性90.4歳まで長生きするとの予測(国立社会保障・人口問題研究所、2017年推計)もあるほどです。

現在2030歳代の現役世代が高齢者になる頃には、90歳代、さらには100歳以上の長寿が当たり前の社会になっているでしょう。現在の若手研修医は65歳で現役引退後、2530年以上の老後生活を送る前提で準備をしておく必要があるのです。

老後資金を準備している現役世代は少ない

2019年、金融庁の金融審査会が発表した調査報告では「収入を年金のみに頼る無職世帯のモデルケースでは、現役引退後の余生を送るために2,000万円程度の老後資金が必要になる」としています。その根拠となる試算は以下の通りです。

・家族構成:夫(65歳以上)、妻(60歳以上)の夫婦2人暮らし(いずれも無職)

・生活費(実支出):26.4万円/

・収入(公的年金等):20.9万円/

・赤字額(生活費-収入): ▲5.4万円/

収入が公的年金のみである場合、毎月5万円以上の赤字が出てしまうことが分かります。

そして、おおむね30年程度続くであろう老後生活での赤字総額は以下のようになります。

・毎月の赤字額(▲5.4万円)×30年(360カ月)=▲1,944万円

上記の計算式で推定赤字総額は1,944万円(約2,000万円)であることが分かりました。

金融庁が言う「老後資金2,000万円」とは、この数字を指しているのです。この話題があまりに物議を醸したため、政府が報告撤回を決めるなどの動きもありましたが、これまで資産運用に無関心だった人たちが老後の貯えについて改めて考え始めるきっかけとなったことは事実です。おぼろげな危機感はあるものの、老後にどれだけのお金がかかるか分からなかったところに、この具体的な数値が示されたことは意味のあることでした。

残念ながら、現役世代では老後資金の準備を実践している人はまだまだ少なく、「60歳代になってもバリバリ現役で働き続ける」とか「現役引退したら生活費をさらに節約して細々と暮らす」など甘い考えも散見されます。

20~30歳代は資産運用にもあまり興味がないようで、株式などの金融資産の保有割合は60歳代以上の高齢者と比べて大幅に低い傾向にあります。若い世代は、金融資産を持たない理由として「まとまった資金がない」「投資に関する知識がない」「どのように有価証券を購入するのか分からない」などを挙げているそうです。

若いうちから貯蓄や資産運用が必要

老後、勤労収入がなくなるということは誰もが分かっていることです。そのために公的年金が準備されているはずなのですが、もはやそれもアテにできないご時世です。若いうちから貯蓄や資産運用を行うなどして準備しておく必要があるのです。

例えば、30歳から65歳までの35年間に2,000万円貯めるとすると…

2,000万円÷35年(420カ月)=4.77万円

毎月4.77万円を手元に残す必要があることが分かります。

普通預金は低金利のため、利息には期待できませんが、2030代の若いうちから長く続ければ最終的には大きな貯えになります。数年貯めて、ある程度まとまった額になったら金利の高い定期預金に移すことも考えましょう。また、話題の「iDeCo」は普通預金よりも高い利回りで運用できるため、より短期間で貯蓄を増やすことができるでしょう。マイホームのローンや子育て資金の支出が減り、生活費に余裕ができる4050歳代頃から始めてもいいかも知れません。

まとめ

人生にはさまざまな出費のタイミングがあります。結婚やマイホーム購入、子供の誕生・教育、そして開業医としての独立。こうした出費を想定するのと同時に、老後の貯えも考えなければなりません。預貯金やiDeCoのほかに、株式や不動産への投資で資産を運用することも有効でしょう。若いうちから始めるのが理想ですが、何歳から始めても「遅い」ということはありません。大切なのは「ムリなく続けられること」です。


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