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なぜかリッチな研修医の「生活習慣」

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「同世代で同じセクション、給料も多分同じぐらいなのに、私よりもゆとりある生活をしている同僚がいます。生活環境は変わらないのに、給料日前も余裕そうです。まとまった額の貯蓄もあるようで、謎でしかありません」(吉田さん・前期研修医・26歳)

吉田さんが疑問を感じているように、同じ就業条件にあっても、人によって暮らしの豊かさが大きく異なるのはなぜでしょうか。その要因は、消費に関する習慣にあるようです。今回は、毎日のゆとりを実現する生活習慣について見ていきます。

2人の対照的な生活習慣

同じ職場に勤める研修医の田中さんと吉田さんは、給料・就業形態ともほぼ同じレベルです。2人とも独身で、都心の賃貸マンションに住み、親からの仕送りはなし。自分自身の収入のみで生計を立てています。

しかし毎月、給料日の3日前ぐらいになると吉田さんは心なしかソワソワし始めます。昼食を抜くこともあるようで、身体もフラフラしている様子です。いつも通りに過ごしている田中さんと対照的に、吉田さんが給料日前にこうなってしまうのはなぜでしょうか?

田中さんと吉田さん、それぞれの経済的な生活習慣を比較してみました。

<毎月の給料日>

田中さん:支給額の20%を貯金する

吉田さん:仕事帰りに居酒屋に寄り、支給額の2%を消費する

給料日のたびに一定額を貯蓄している田中さんに対し、吉田さんは「次の給料日までお金を使って、余った分を貯蓄すればいいや」と考え、お酒を飲みに出かけます。給料をもらったその日から、大きな差が付いていることが分かります。

<毎日の昼食>

田中さん:手作りの弁当を持参する

吉田さん:コンビニ弁当を買う

毎朝ちょっとだけ早起きして弁当を手作りする田中さんと、一回の支払いが数百円だからと、毎日コンビニ弁当を食べている吉田さん。しかし、給料日前になると吉田さんの財布はカツカツで、満足に昼食も摂れない状態です。

<休日の過ごし方>

田中さん:自宅近くの書店やカフェ巡り

吉田さん:近隣の観光地へドライブに出かける

休日の過ごし方も、交通費をかけず自宅周辺で過ごしている田中さんに対し、吉田さんはマイカーで遠方まで出かけ、食事代や土産代を浪費しています。田中さんが休日に使うお金は、気になった文庫本1冊とカフェで飲んだブレンドコーヒー代の合計1,300円程度です。

一方の吉田さんは、海辺のレストランでシーフードパスタのコースを満喫し、道の駅で地元物産品を購入するなどして約1万円を使っています。それに加え、マイカーには維持費がかかります。自動車税や自賠責保険、点検・車検費用などが年間20万円前後、月額換算すると17,000円程度になります。

田中さんの休日消費が月5,000円余り(1,300円×休日4日)なのに対し、吉田さんはなんと月6万円近く(1万円×休日4日+17,000円)使っているのです。

2人の月給が30万円だとしたら、吉田さんの休日消費の割合は約20%、奇しくも田中さんの貯蓄分を丸々浪費していることになります。それ以外に毎日の食費や水道光熱費、家賃などの支払いもありますから、吉田さんが給料日前にソワソワする気持ちもわかります。貯蓄があり生活費にも余裕がある田中さんはリッチに暮らすことができますが、吉田さんはカツカツの窮地から抜け出すことができず、負のスパイラルにはまり続けるのです。

幸福の余韻が長く続く消費とは?

刹那的なモノ・コトに対する消費は、実行する前、つまり計画しているときが楽しさのピークです。「あのレストランの人気メニューを食べに行こう」とか「あの観光地まで出かけて絶景に癒されよう」と計画し、それを達成したときが頂点で、その後は現実に引き戻され、喪失感に襲われるもの。「美味しい」とか「癒される」という感覚はひとときだけのもので、幸福の余韻は長くは残りません。

幸福な余韻を長く持続できる消費とは自分への投資、すなわち明るい未来を拓くためにお金を使うことです。1カ月分の給料から軽くペイできるような少額では叶えることができない「壮大な夢」を描くことから始めましょう。

例えば、いつか海外で働くための準備や結婚後の暮らしを想定したマイホーム計画、希少性の高い研究に没頭するための環境作りなど。それらを実現することによって、その後の人生を豊かに楽しむための夢を見つけることです。刹那的な出費と比較すれば高額になりますから、まずは貯蓄をしなければなりません。毎月貯蓄を続けるには根気が要ります。誘惑に負けて挫けそうときは、夢を達成した自分の姿を思い浮かべて乗り越えましょう。

 まとめ 

給料日は、経済的な解放感や安堵感に包まれるものです。銀行口座の残額が増えているのを見て、「今月もよく頑張った!」と、自分を褒めてあげたくなります。次いで、「何を買おうか」「何をしようか」など、ちょっと気が大きくなってしまう傾向もあります。「今夜はいつもより高いワインを買って帰ろうか。いや、思い切って高級レストランでフルコースディナーにしようか」というように、欲望は尽きません。

しかしそこはグッと堪えて、未来の自分に投資すること、すなわち貯蓄を優先しましょう。浪費癖を抑えて貯蓄に専念するためには、自分の「価値観」を変える必要があります。食べ物や衣服などの「モノ」に執着せず、理想の自分になるための「成長」とその「過程」に価値を感じるようになれば、貯蓄に専念できるようになるでしょう。


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