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高所得な医者はマストで利用したい「ふるさと納税」の魅力 

生まれ育った町や幼い頃に夏休みを過ごした祖父母が暮らす町など、いま研修医として暮らしている土地以外にも、思い入れのある地域はありませんか? または、災害で困っている地域を応援したいと思ったこともあるのではないでしょうか。

そんなにときぜひ利用したい制度、それが「ふるさと納税」です。

応援したい地域を選んで「寄附」すると、寄附金額のうち2,000円を超える部分については一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除されるという制度です。

それだけではなく、寄附への返礼品として町の特産品を受け取ることもできます。

「利用してみたいけど、よく分からない」「いまは忙しいからそのうち……」と考えているうちに年末になってしまった!という人も多いと思います。

今回はそんな研修医の皆さんに「ふるさと納税」の魅力を分かりやすく解説します。 

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「ふるさと納税」を始めよう

第1歩として、自分が「寄附」できる上限金額を確認してみましょう。

総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」では、年間にいくら「ふるさと納税」できるか試算できます。上限額は年収や家族構成、住宅ローン控除や医療費控除などを受けているかどうかによって異なります。

独身の人を例に見てみましょう。

ふるさと納税を行う本人の給与収入が300万円の場合、年間28,000円、500万の場合61,000円、1,000万の場合176,000円、そして2,000万円ではなんと564,000円まで寄附できます(ほかの控除を受けていない給与所得者のケース)。

家族構成などが同じ条件であれば、年収が多ければ多いほど寄附できる金額が増えます。

つまり実質自己負担2,000円でより多くの寄附ができるようになり、様々な特産品を受け取れるのです。

上限額が分かったら、次は寄附をする自治体選びです。 

実家がある、大学生時代を満喫した、災害支援をしたいなど、理由は何でも構いません。もちろん、寄附のお礼として自治体からもらえる特産品で選ぶのも良いでしょう。各自治体が知恵を絞り、特色あるものを提供しています。返礼品を選べる楽しさは、「ふるさと納税」の大きなメリットです。

寄附先が決まったら、寄附金を納付します。

支払い方法についておすすめはクレジットカードです。支払い金額に応じてカードのポイントを貯められるため、大変お得です。納税者本人の名義のカードを使って決済してください。

 寄附金を納めると、「寄附金受領証明書」が届きます。確定申告に必要なものですので大切に保管しましょう。

 そして返礼品を受け取ります。受け取り時期は自治体によって違いますから、寄附するときに必ず確認しましょう。とくに一人暮らしの場合、長期不在時に届かないよう注意が必要です。

 最後に「確定申告」で寄附金控除の手続きをします。

 なお、控除手続きは「確定申告」のほか「ワンストップ特例制度」も選択できます。自分にとって便利な方法を選びましょう。

研修医にオススメの「ワンストップ特例制度」

研修医になりたての頃は覚えることがいっぱいで、目が回るほど忙しいという人も多いかも知れません。「ふるさと納税」がお得だと分かっていても、確定申告する時間がないという人にオススメなのは「ワンストップ特例制度」です。

給与所得者等であり、確定申告が不要な人が対象で、寄附先の自治体が5つ以内であることが条件です。

寄附をするときに「ワンストップ特例制度」を選択し、各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出します。寄付金のうち自己負担額である2,000円を超える部分については、一定の上限まで全額が翌年の6月以降に支払う住民税から控除されます。

医師として経験を積み、収入が増えてきたら「確定申告」が必要となります。

こちらは寄附金のうち、自己負担額2,000円を超える部分については一定の上限まで、所得税と個人住民税から控除できます。

【計算式】

所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」

住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10

住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額 - 2,000円)×100 - 10%(基本分) - 所得税の税率)

「ふるさと納税」利用者は6年間で約35倍に

「ふるさと納税」をする人は年々増えてきています。

制度が始まった平成25年度は11万人・寄附金額130億円でしたが、令和元年度は395万人 ・4,576億円と、6年間で約35倍に伸びました(出所:総務省「ふるさと納税ポータルサイト」)。

また、参加する自治体も増えています。

各自治体が工夫を凝らし、地域の工芸品や食料などの特産品をお礼として提供していますから、一度「ふるさと納税」受付サイトを覗いてみてはどうでしょう。

「ふるさと納税」の受付をするサイトには、選びきれないほどの特産品が掲載されています。

人気ランキングの上位には、高級牛肉のほか、カニやホタテといった海産品、お米やフルーツなど食品が並んでいます。人気の返礼品への寄附金額は1万~2万円程度です。ティッシュペーパーや洗剤などの日用品を選べば、家計の助けにもなるでしょう。年末になると5万円程度の「おせち料理」や「ローストビーフ」など季節の食材にも人気が集まるようです。

食べ物・日用品以外にも様々なものがあり、納税額に応じた豪華な返礼品があります。

レジャー費の節約に活躍する「温泉宿泊券」や「ゴルフ場プレー券」のほか、「釣り」や「ダイビング」といった体験型チケットもあります。

変わったところでは「お墓参り代行サービス」や「空き家管理」など、ふるさとに帰省したくてもなかなかできていない人向けのサービスもあります。

2020年は新型コロナウイルスの影響による休校・休業要請があり、食材が余る自治体がありました。そのような食材が、ふるさと納税の返礼品になっています。寄付額の割に量が多いこともあり、災害復旧の協力をしつつもお得な返礼品をもらえる寄付として注目されています。

まとめ

複数の地域に1万円ずつ寄附をするもよし、少し金額が高い特産品を厳選するもよし。ふるさと納税は、さまざまな地域の特産品を、実質自己負担2,000円で楽しめる制度です。

受け取った返礼品を家計節約に役立て、浮いたお金を貯蓄に回すこともできるでしょう。さらに、地方の特産品を楽しむことを通じ、その地域に愛着を持てることも大きなメリットです。

 まだ試したことがないという人は、これを機にぜひ利用してみてください。

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