もはや病院のなかで患者を相手にしているだけが医者の仕事ではありません。不動産を運用し収益を上げる、そして地域への貢献がこれからの医師の使命とも言えるのです。
では、実際にどのような過程をたどり、現在どのような生活を送っているのか、その成功実例を本人の声とともに紹介していきます。
物件購入時の職場環境
物件購入時の職場環境について教えてください
昔から医療業界は〝徒弟制度〟のようなものがあります。特に、私のような外科では顕著です。そのため大学での勤務は激務です。オペに当直、外勤もあり、全部こなしたうえに教授の論文の手伝いなどもしていました。それで大学内での出世コースに乗ればいいのですが、それは一握りです。教授にならない限り給与に差はなく、たとえばたくさんの外科手術をしているベテランでも、ほとんど経験のない新人でも同じ外科手術であれば、どちらの出刀でも同じ金額しか病院は請求できません。ですからインセンティブも働きにくい。もちろん一般のサラリーマンよりは給料はいいはずですが、私は昔からもらえば使ってしまって、ほとんど「資産」というものはありませんでした。
不動産投資をするきっかけ
不動産投資を始めるきっかけとなったエピソードを教えてください
40歳を前にして結婚、子どももできたため、やはり将来に不安を感じてきました。今のうちは、まだ多少、身体の無理も利くので、夜勤でも外勤でもこなせるだけこなすことができますが、それができなくなったらどうするのか。また、妻は足が悪いため、医療費などが多くかかりますし、できれば子どもたちにも医学の道を歩んでほしいと考えると、相当なお金がいることが分かってきたのです。 そんなある日、医師である妻がある本を購入して私に渡してきました。『資産 10億円を実現する医師のための収益物件活用術』というものです。もともと妻は医師として、これからの地域医療を考え、自ら地元に医療系の施設を開設したいと考えていた節があり、興味を持って読んだようです。私もその本を読んで著者が医師の実情に精通していることと、何よりも過去に沖縄のとある医療施設(多額の債務を抱え、倒産寸前。誰も救済者がいない状況)を助け出し、再生のサポートをしたことに共感を覚えました。そこで、本を読み終わってすぐさま著者に 連絡をしました。とんとん拍子で話は進み、著者の大山さんと会うことになったのです。
物件購入の決め手
物件購入の決めてを教えてください
大山さんと会ってみて、不動産のことだけでなく、医師のことも本当に詳しいので物件購入を決断しました。物件や金融のことなどの細かい知識はないから、すべてお任せです。入り口として節税は魅力的だと思いましたが、やはり長期的に資産を形成することを目的としました。
購入決断から今までの苦労と対策
購入決断から今までに苦労がありましたら教えてください
最初に区分所有で東京に3つのワンルームマンションを持ち、3カ月後には地方の中古マンションを一棟買いました。物件選びはすべてお任せです。ワンルームは東京都心なので空室の心配はありません。中古の一棟はリノベーションを前提としたもので、その計画もすべて入った提案を受けました。立地は関西の地方都市ですが、交通の要所にあります。何より近くに2つも医大があり、マンションに学生が下宿することが明らかで空室の心配がありませんでした。そうしたターゲット向けに担当者から様々なアドバイスを受けるこ とができたんです。 たとえば、下宿をする医大生は地方の資産家の子であり、下宿先選びに親の意見が強く反映されるケースが多いため、強固なセキュリティや清潔感が重要であること。家賃は設備をきちんと整えれば、低くする必要がないこと(相場より高くても問題ないが、付加価値以上の価格設定はダメ)などです。案の定、ある親から「ここが気に入ったが、大学通学に車での送迎をお願いできないか」と、問い合わせがきました。さすがにこちらでそこまでの準備をするのは無理だったので断ったのですが、大学の生協に問い合わせると対応可能となり、入居が決まりました。
不動産運用の感想
不動産の運用の感想を教えてください
短期的には節税、長期的には資産形成を目的としているので、これといって生活に変化はありません。しかし、将来に対する不安は、運用をはじめる前よりもずいぶん解消されました。もちろん、リスクがないわけではありませんが、何もしないでいるよりも断然いいと思っています。
この先のキャリア・人生設計
この先のキャリア・人生設計について教えてください
医師の不動産運用による資産形成の実験台となって、後進の医師たちのロールモデルになりたいですね。今、医師はキャリアプランを描きづらい時代です。それに加え給料は一定で頭打ち状態です。であれば自分のように不動産を運用して、病院での収入以外にも資産を作り、守る方法を見つけていくことは非常に有効だと思います。これは、身近に成功者がいないとなかなか分かりづらいと思いますが、自分が上手くいくことで、そうしたノウハウを教えること もできるでしょう。自分は幸運にも今、勤務する病院で出世コースに乗れました。しかし、今後は勤務医を続けて上のポジションにいけなくても、こういった資産形成の方法もある、と教えていきたいと考えています。それができれば、開業するか勤務医を続けるか、という択もなくなり、勤務医をしながら不動産で資産形成できるという第3の道が開けるのです。また、2016年の10月には妻が地域医療の施設を開業する予定です。現在は、その施設建設がはじまろうとしていて、設計図の最終打ち合わせに入っています。医療施設としては訪問介護、リハビリステーション、そして接骨院も併設します。さらに障害児童支援や放課後サービス、カフェ、パン屋などを含めた複合型の施設とし、医療介護者だけでなく、子どもや高齢者、障害者など、誰でも集まれる施設を目指しています。これは妻が中心となってはじめた計画ですが、こちらでもトライブさんから開業支援を様々な形でいただいています。やはり開業に当たっては、経営や不動産などに詳しいプロのサポートがあるとないとでは全く違うと痛感しています。